リウマチ科
リウマチ外来では主に関節リウマチの診断、治療を行っています。
関節リウマチは、関節に痛みや腫れをともなう炎症が起きて、関節が壊れてくる病気です。
現在のところ、はっきりとした原因は不明ですが、近年、その治療はめざましく進歩しており、これまでに考えられなかったほどの効果が得られています。
とくに、生物学的製剤という新しいタイプの薬により画期的な治療効果を上げることが可能となりました。
関節リウマチでは早期に診断し早期に適切な治療を開始することで、病気の勢いや関節の炎症をおさえることができます。
そうすれば、日常生活に影響を及ぼす関節の破壊や変形を防ぐことができます。
診 断
関節の腫れや痛み、朝起きたときの手のこわばりなどは、関節リウマチの大切なサインです。
気になる関節の症状がある時には、早めに医師の診察を受けましょう。
症状や経過などをお聞きし、血液検査・レントゲン検査により関節リウマチの診断をおこないます。
薬物治療
関節リウマチにはいくつかのタイプがあり症状や痛くなる関節は患者さんによって様々です。
炎症の強さや関節破壊の進行度により、その人に合った薬を選択します。近年では生物学的製剤の登場により寛解(関節リウマチの症状がない状態)を目指すように治療を行っています。
生物学的製剤
従来の抗リウマチ薬で治療が不十分な患者さんには、さらに強力な生物学的製剤の点滴または皮下注射による治療を行います。
副作用に気をつけなければならず慎重な管理が必要です。
当院では現在使用可能な8種類の薬を患者さんにより使い分けています。
JAK阻害剤
生物学的製剤と同等か、それ以上の効果があると言われる抗リウマチ薬です。現在2種類使用できます。
注 射
炎症の強い関節にステロイドやヒアルロン酸を注入することにより、速やかに炎症を消退させます。
手術治療
軟骨や骨の破壊が進行し、関節に変形や障害を起こしてしまった場合は、人工関節置換術(膝・肘・股関節)や、関節形成術(手関節・足指)、関節固定術(手関節・足関節)などの手術をおこないます。
また、手指を伸ばす腱が切れた場合の再建もおこないます。
リハビリテーション
関節リウマチのリハビリテーションは、痛みや炎症の程度(リウマチの活動性)を目安にして行います。
当院では専門の理学療法士、作業療法士が関節の機能を維持し日常生活を送れることを目標に行っています。
また、変形が進行する事を予防したり、目的とする動作や作業を行えるように自助具や装具の処方も行います。
当院で行っている手術の一部を紹介します。
手術前
足の変形でできてしまった歩く時に痛い足の裏のタコには足趾形成術を行います。
手術後
変形が進んでしまった膝には人工膝関節置換術を行います。
不安定になった頚椎には固定術を行います。
術 前術 後
その他、様々な手術を行っています。