整形外科専門病院(脊損)【弘前記念病院】〜青森県弘前市〜

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股関節の手術

手術室

手術室は、バイオクリーンルーム(超清浄空気)であります。
医師は全身排気スーツを着用し、感染予防に努めています。

 

当院における過去5年における人工股関節置換術の術後感染率は0.2%であり、極めて少ない感染率を維持しております。

 

当院における過去5年間における股関節疾患手術件数(2013-2017年)

人工股関節置換術(THA)

人工股関節再置換術(Revision THA)

各種骨切り術(RAOなど)

801件

27件

42件

 

代表的な股関節疾患と治療

股関節疾患は多種多様であり、当院ではそれぞれに適した治療を行っています。

 

 

大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折及び大腿骨転子部骨折)は高齢者に多く、手術により日常生活動作や歩行能力の再獲得が期待できます。

 

 

手術後、早期より離床及び歩行訓練を行い、高齢者が寝たきりになるのを防ぐことができます。

大腿骨頚部骨折では高率に関節唇損傷を合併しており、人工骨頭置換術では術後の痛みが残存することがありますので、当院では主に人工股関節置換術を行っております。

 

人工股関節置換術

変形性関節症や関節リウマチなどの病気により、股関節が破壊され、歩行及び日常生活動作に著しい支障をきたします。それぞれの疾患に対して適切な保存的治療(日常生活指導、薬物療法、リハビリ)を行います。

しかしながら、痛みが改善されず日常生活動作が困難な場合、手術的治療の適応となります。

人工股関節の手術により、痛みが無くなり、脚長差(左右の脚の長さの違い)も改善され、歩行能力が向上します。更に、旅行や水泳などの軽いスポーツも可能となり、快適な生活を送れるようになります。

 

 

人工股関節の詳細に関しては人工関節ドットコムをご参照ください:

http://www.jinko-kansetsu.com/index.html

 

 

MIS-MS-THA

 

真の最小侵襲手術での人工股関節置換術の意味です。単に傷が小さいだけの手術ではありません。傷が小さくても、筋肉や腱を損傷させてしまっては、早期回復遅延や活動制限が強いられてしまいます。MIS-MS-THA(minimum invasive surgery-muscle sparing)は、筋間からのアプローチであるため、筋肉や腱を可能な限り温存する手術方法です。筋肉を切らずに筋肉の隙間から股関節に進入するため、後方アプローチよりも脱臼リスクが低いといわれています。筋間進入アプローチには、前外側アプローチと前方アプローチが代表的です。

当院では、前方アプローチよりも前後の筋腱温存および靱帯温存率が高い(股関節安定による脱臼防止)仰臥位前外側アプローチを取り入れており、原則として術後の活動制限を設けておりません。

当院では、全国にMIS-MS-THA(最小侵襲手術での筋腱温存による人工股関節置換術)

を普及させるための活動を行っております。2017年5月時点では、全国各地から150名を超える整形外科医が、当院でのMIS-MS-THAを見学するために訪れております。

 

 

 

当院の人工股関節置換術の特色

MIS人工股関節置換術(低侵襲人工股関節置換術)

 

M : Minimally(最小の)
I : Invasive (侵襲)
S : Surgery(手術)

 

・皮膚切開をできるだけ小さくし、筋肉・腱を切離しない方法で、人工股関節置換術
 を行う方法です。

・軟部組織(皮膚・筋肉・腱)への負担を最小限にすることで、早期社会復帰が期待
 できます。
 術後1〜2週程度で、退院許可となります。

 

 

・ほとんどの症例で、MIS人工股関節は可能ですが、重度の関節変形を有する患者様
 や重度の肥満患者様には、MIS人工股関節が困難なこともあります。

・安全かつ正確に手術が行われ、人工関節の機能及び耐久性が高いことが、最優先さ
 れます。従って、時に10cm以上の皮切になり、一部の腱・筋肉を切離することもあ
 ります。

 

 

79歳女性 右変形性股関節   77歳女性 左変形性股関節
     
術前   術前
 
術前は、歩行時痛が著明である。   術前は、歩行時痛が著明で、
重度の歩容異常を認める。
     
術後1週   術後3週
 
術後1週時には、痛みなく歩行が
安定している。
  術後3週時には、軽度の歩容異常を
認めるが、痛みなく安定した歩行である。
今後更なる歩容改善が期待できる。

 

 

人工股関節置換術の目的

  1. 股関節痛の軽減(股関節の痛みを消失または和らげます)
  2. 脚長差の補正(左右の下肢の長さの違いを整えます)
  3. 上記により、股関節周囲の筋力回復及び歩行能力の改善が期待できます

人工股関節の注意点

  1. 人工股関節脱臼
    人工股関節の一般的な脱臼率は2〜3%と言われています。 術後、股関節を深く屈曲(曲げ)し、内旋(内側に捻る)動作で生じやすくなります。手術操作において短外旋筋群を切離することで、過剰な屈曲および内旋が生じることが脱臼の危険性を高めます。仰臥位前外側進入法(Anterolateral in Supine) :MIS-MS-THAにより、正確なインプラント設置が可能となり、短外旋筋群を切離すること無く手術操作を行うことが可能となります。当院での脱臼率は約0.1%であり、良好な成績が得られております。
  2. 人工股関節の磨耗・破損
    一般的に、20年で90%以上の人が再置換術にならない耐久性ですが、活動性の違いに より個人差があります。近年、機種の進化及び改良により耐用年数が向上してきております。 術後は定期的に受診をし、確認する必要があります。

 

何故、人工股関節は脱臼しやすいのか?

 

 

当院では、後方脱臼抵抗性を高めるため、後方の軟部組織を切離しない MIS-MS-THAを主に行っております。したがって、脱臼の危険性はほとんど 無いため、日常生活動作レベルでは制限はありません。

 

脚長差の補正(左右の下肢の長さを一致させます)

当院では、術中に、レントゲンイメージ下に、脚長差、安定性、カップ及びステムの アライメントをリアルタイムで確認するため、再現性の高いインプラント設置が可能です。
脚長差は、腰痛および膝痛の原因や、歩容異常の原因となります。

 

 

 

術前検査(術前リハビリテーション)及び手術までの流れ

1.外来にて人工股関節置換術の予定となる。

 

・高血圧や糖尿病などの基礎疾患の確認

・むし歯の有無の確認(むし歯のある患者の人工関節置換術は感染の危険性が増加しますので、むし歯の治療が優先されます。)

・精神疾患を有する患者様は、当院での入院治療が受けられないことがあります(精神科医不在のため)。

 

2.手術の1〜7日前の入院となります。

 

・患者様の有する基礎疾患(高血圧や糖尿病など)の程度や年齢により様々です。

・入院後、基礎疾患に対する治療や股関節に対する評価及びリハビリを行います。

・人工股関節の各種パンフレットやDVDにて、理解を深めていただきます。

 

3.手術の数日前、主治医より手術内容に関する詳しい説明があります。

 

・治療内容に納得した場合、手術同意書及び同種血輸血同意書に署名していただきます。

 

手術日

4.人工股関節置換術の手術は、30〜45分程度です。

手術前に麻酔をかける時間、手術体位の調整、手術野の消毒、 手術、手術後のレントゲン撮影、麻酔を覚ます時間がありますので、 合計で2〜3時間程度は要します。

 

5.手術直後は、ベッド上で足関節、膝関節の屈伸運動を行います。

 

下肢深部静脈血栓症の予防のため、ベッド上でも運動を行います。

手術翌日以降

6.手術翌日より、車椅子移動や立位・歩行を許可します。特に活動制限は行いま
  せん。また、術後48時間以降は、シャワー浴を許可しております。

7.手術後1〜3週間程度で退院見込みとなります。

退院後

8.手術日より起算して、術後3ヶ月、術後6ヶ月、術後1年に定期的受診をしてい
  ただき、人工股関節の状況を確認いたします。術後1年以降は、1〜2年毎の定期
  受診 を推奨しております。

 

・人工股関節の場合、長期使用で摩耗、緩み、骨融解が生じる可能性があります。その場合でも、痛みなどの症状が出にくいため、定期的な受診が必要となります。

・摩耗、緩み、骨融解が軽度の場合は、患者様にとって侵襲の少ない人工 股関節再置換術で済みますが、重度の場合は、侵襲の非常に大きな人工股関節再置換術となることもあります。

 

 

人工股関節にも様々な種類があり、患者様個々人の関節破壊の程度や骨質を考慮し

最も適したものを使用いたします。

 

 

手術後1〜2日には離床、歩行訓練を行い、早期退院を目指しております。術後1週で退院することも十分可能です。

しかしながら患者様個々の状態や社会的背景に即したリハビリテーションが必要でありますので、基本的には十分な満足が得られるように、当院でリハビリテーションを全うする完遂型のリハビリテーションを行っております。一般的に当院では、2〜4週間の入院となります。

 

人工股関節には、様々な摺動面(人工股関節の動く部位)があります。耐摩耗性の高い 摺動面、耐脱臼性の高い摺動面、アレルギー反応を起こしにくい摺動面、雑音のしにくい 摺動面、などの様にそれぞれ特徴を有しています。患者様の生活スタイルに合った、摺動面を選択することが可能です。

 

 

骨移植を併用人工股関節置換術

 

大腿骨転子下骨切り術併用人工股関節置換術

 

術後定期検査

 人工関節は、金属、セラミック、ポリエチレンにより構成される物でありますので、必ず経時的に摩耗及び劣化していきます。従って、定期的な外来受診にて、人工関節及び人工関節を支えている骨の状況を確認する必要があります。
 摩耗や劣化が生じても、初期の場合は無症状の事が多く、放置されてしまうことがあります。そのような状況が長く続くことで、人工関節の破損及び骨の破損や融解が重度となり、再置換術が困難となることがあります。

 

 

関節温存手術

若年者の臼蓋形成不全症、大腿骨頭壊死症、変形性股関節症に対しては、人工股関節手術は基本的には行いません。関節温存手術には棚形成術、 寛骨臼回転骨切り術、Chiari手術、大腿骨頭回転骨切り術、血管柄付腸骨移植術、オマリー腱切り術などがあります。それらの目的は、関節症への進行を抑え、更に関節の修復・再生を期待するものであります。手術方法は、患者個々人の状態に最も適したものを選択いたします。

 

 

大腿骨頭を支える臼蓋の接触面積を増加させることにより股関節の荷重圧力を下げ、関節症への進行を抑える効果が期待できます。更に傷んだ関節軟骨をあまり荷重のかからない部分へ移動させることにより、軟骨の修復・再生が期待できます。

 

 

 

 

棚形成術

RAOやChiari骨盤骨切り術と比し、少ない侵襲と入院期間でできる関節温存手術です。臼蓋側の形成不全部分を骨移植することにより、大腿骨頭の被覆を高め、股関節の安定性を高める手術です。

 

 

大腿骨頭回転骨切り術(大腿骨頭壊死症に対して)

 

 

その他の関節温存手術

 

 

 

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